薬剤師オイカのブログ

ヘルスケア情報と調剤薬局向けの情報を発信しています

インフルエンザ感染したかも!? 検査✖️治療✖️完治後

こんにちは!薬剤師oicaです♪

今回はインフルエンザ治療編をお届けしていきます。目次は

  1. インフルエンザの検査
  2. どんな薬を使うか?
  3. 治るまでどのくらいの期間がかかるか?

 

インフルエンザウイルスに罹患したときの一般的な症状は・38℃以上の高熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感・咽頭痛・鼻水・咳などが現れることが多いです。風邪やコロナの症状と区別がつきにくいため流行期に上記のような症状がでた場合には検査をお勧めします。

 

1.インフルエンザの検査

今までは医療機関でしか検査を受けることができませんでしたが、令和4年11月に一般販売が解禁されました。そのため現在では医療機関受診時の検査に加えて、薬剤師が対応する薬局やドラッグストア・ネット注文からも購入できるようになっています。

f:id:oica:20230114070804j:imagef:id:oica:20230114070928j:image

厚生労働省より2022〜2023の冬シーズンに向けて上記のリーフレットも発出されています。*新型コロナ抗原検査キットとの記載ですが、インフルエンザも同様に考えてよいと思われます。

検体の採取方法は鼻腔ぬぐい液とされていますので、付属の専用綿棒を鼻腔に2cm程度挿入し、鼻腔の粘膜を軽くこするようにして5回転させます。医療機関が検査を行う場合は鼻の奥深くまで綿棒を入れる鼻咽頭ぬぐい液を使用しますが、一般の方が自分自身で検査する場合には鼻腔ぬぐい液が推奨されています。

検査を行うタイミングとしては発熱12時間以降〜翌日がよいとされています。発症後すぐだとウイルス量が少なく陰性と判定されてしまうことがあるようです。インフルエンザの治療薬を使用する場合は発症から48時間以内の使用開始が必要ですので検査実施タイミングにはかなり気をつける必要がありますね。

重症化リスクが低い方(高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦、小学生以下の子供以外の方)で陽性と判定された場合に症状の重さを見て医療機関の受診をご検討ください。

検査キットは国が承認した「医療用」もしくは「一般用」のものを選んでください。「研究用」も販売されていますが、厚生労働省による性能確認が未実施のものですので、正しい検査結果が得られるか不明なものになります。

 

2.インフルエンザ陽性の場合に使う薬

インフルエンザは基本的には自己免疫力により自然に回復する病気です。治療を必要とするかは重症度や合併症の有無によって異なります。抗インフルエンザウイルス薬(体内でのウイルスの増殖を抑える薬)は患者さんの症状や持病に合わせて薬物療法が必要か検討されます。抗インフルエンザウイルス薬には内服薬(口から飲む薬)、吸入薬(口から吸い込んで使う薬)、点滴薬などいくつかの種類がありますが、一般的に症状がでてから48時間以内に使用することで発熱期間の短縮やウイルスの感染力を下げる効果が期待できます。処方医から抗インフルエンザウイルス薬についての説明があった際には下記を参考に検討してみてください。

  • 一回のみの使用で終わる薬がいい ⏩ イナビル(吸入)、ラピアクタ(点滴)、ゾフルーザ(内服)
  • 小児や高齢者で吸入は難しいかも ⏩ タミフル(内服)、ラピアクタ、ゾフルーザ  *イナビルは製薬メーカーより吸入練習用の笛が無償提供されていますので、希望される場合は医療機関もしくは薬局で相談してみてください。
  • 腎機能が悪いと言われている ⏩ リレンザ(吸入)、イナビル、ゾフルーザ。タミフルラピアクタは腎機能によって投与量の調節が必要。

小児や高齢者のインフルエンザウイルス感染時の解熱剤はカロナールなどの有効成分アセトアミノフェン含有製剤が推奨です。理由としてはその他の解熱剤を使用することで、インフルエンザ脳症やライ症候群を引き起こす可能性があるからです。

  • インフルエンザ脳症:痙攣・意識障害・異常行動を起こす場合があり、後遺症が残ったり場合によっては死に至ることもある
  • ライ症候群:急性脳症や肝臓への脂肪沈着を起こし、死に至ることもある。

成人にロキソプロフェンやイブプロフェンは使用しても問題ないとする見解もありますが、個人的にはアセトアミノフェンが使用できる状況であればアセトアミノフェンのほうがいいと思います。小児に服用させる場合には絶対にアセトアミノフェンを選択しましょう!

 

3.治るまでにどのくらいの期間がかかるか?

一般的には発症から1〜3日間ほど38℃以上の熱が続いたのち、徐々に症状が治まっていきます。幼稚園や学校においては学校保健安全法で「発症した後5日間を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」がインフルエンザによる出席停止期間として定められています。企業においては法で定められているわけではありませんが、学校保健安全法に準じて規定を決めている企業が多いようです。

 

今回はここまでになります!

インフルエンザなんてかからないに越したことはないですが、もし感染が疑われる症状がでた場合にはその時の状態にあった適切な行動が取れるよう心がけましょう。