薬剤師オイカのブログ

ヘルスケア情報と調剤薬局向けの情報を発信しています

インフルエンザ感染拡大!予防対策しましょう!

2022年01月09日公開

2022年01月11日更新

 

こんにちは!薬剤師oicaです♪

新型コロナに加えてインフルエンザが流行の兆しを見せています。新型コロナ感染拡大して以降、インフルエンザが流行するのは今シーズンが初めてになります。なので、今回は

インフルエンザの予防対策

をテーマに投稿します。

  1. インフルエンザとは?
  2. 日常生活での予防方法
  3. 家族が感染した場合には?

の順で解説していきます。

 

1.インフルエンザとは?

オルソミクソウイルス科に属するインフルエンザウイルスに感染することで発症するウイルス感染症です。中耳炎や肺炎などの原因となるインフルエンザ菌(細菌類)とは別モノですので、混同しないようにしてください。

過去のインフルエンザ流行を見てみるとアジア風邪や香港風邪で100万人規模の死者、20世紀初めのスペイン風邪にいたっては4000万人超の死者がでたと言われています。治療薬やワクチンの開発によりこのような莫大な死者数はなくなりましたが、感染拡大は現在でも各地で発生しています。インフルエンザウイルスはヒトや鳥類に加えて哺乳類に広く感染することがわかっています。A・B・C・D型があり、ヒトに感染するのはA・B・C型で、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型はヘマグルチニンとノイラミニダーゼというたんぱく質があり、その組み合わせによって多くの亜型があります(H3N2型やH1N1型など)。そのためインフルエンザA型にかかったことがあっても、その年に流行する亜型と同じ免疫をもっていないと再度感染してしまいます。一方でB型はあまり変化しないため一度感染すると次はかかりにくいと言われていますが、絶対に再感染しないわけではないようです。症状としては発症してから1〜3日で38℃を超える高熱やのどの痛み、頭痛、倦怠感、関節痛などが急激にあらわれます。また小児では急性脳症、高齢者や免疫が低下している人では肺炎など重症化することもあります。

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒に放出されたウイルスを口や鼻から吸い込み感染すること ※主な感染場所は学校や劇場、満員電車など人が多く集まる場所

感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、その手で周りの物に触れてウイルスがつく。別の人がその物に触ってウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って感染すること ※主な感染場合は電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

 

2.日常生活での予防方法

ワクチン接種

不活性化ウイルスを接種することで、抗体がつくられて発症を抑えるものです。ワクチンは毎年世界各国の流行状況などを考慮して国内での流行を予測して作られますが、接種すれば絶対にかからないというわけではありません。ただし、かかってしまった場合にでも重症化したり肺炎などの合併症が起こったりすることを予防する効果は期待できるといわれています。とくに乳幼児(1歳以上)や高齢者、呼吸器や心臓、腎臓などに持病のある方とそのご家族はワクチン接種が推奨されています。

すこし話はそれますが、インフルエンザワクチン接種によってインフルエンザにかかったと聞いたことはありませんか?インフルエンザワクチンは不活性化ワクチンであり、感染性を失わせているので、ワクチン接種によってインフルエンザを発症することはありません。接種後に微熱や倦怠期がでることがありますが、これはワクチンによる副反応ということになります。

手洗い

専門家からは「石鹸やハンドソープを使って1分間の手洗い」が推奨されています。

手洗いしていない時にウイルスが100万個手に付いていたとすると

  • 流水で15秒手洗い→ウイルス約1万個
  • ハンドソープで60秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎ→ウイルス約10個

まで付着ウイルス量を減らすことができると研究結果で報告されています。専門家の説明に納得ですね!

消毒用エタノールはインフルエンザウイルスの不活化にも有効です。手洗いのあとで手の水気をしっかり拭き取ってから消毒用エタノールを使用してください。

手で顔を触らない

当たり前のことですが、手にウイルスが付いているだけではインフルエンザに感染しません。その手で顔を触るから鼻や口、目の粘膜にウイルスが付着して感染を引き起こすのです。ただ人は無意識に顔を触ってしまうので、マスクをしていれば鼻や口を触れずに感染が予防できます。

十分な栄養と適度な運動

偏食を避け、バランスよく栄養をとることが大切です。風邪の予防効果を高めるためには体の免疫システムに欠かせないビタミンCと体のエネルギー生産に必要なビタミンB1、鼻やのどの粘膜を強化する働きのあるビタミンB2、B6を多くとることがポイントです。また適度な運動は体温の上昇やストレス解消により免疫機能を向上させることがわかっています。免疫力アップにはウォーキングやヨガ、なわとびなどのじんわりと汗をかく程度の有酸素運動がおすすめです。

温度、湿度のコントロール

空気が乾燥すると、鼻やのどの粘膜が乾燥して体の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。また体が冷えると血液循環が悪くなり、繊毛運動が弱って、ウイルスが侵入しやすくなります。室内の温度や湿度を適度に保って、感染しにくい環境を整えましょう。

こまめな水分補給

インフルエンザウイルスは胃酸により感染力がなくなりますので、15〜20分ごとの飲水で予防効果があると言われています。のどの粘膜を潤すという意味でも効果的です。ただし、水を飲むという動作は手を顔に近づける必要がありますので、接触感染の原因となる可能性もあります。手指のアルコール消毒をしてから飲水するなどの対策が必要です。

 

3.家族が感染した場合はどうする?

基本的には日常生活での予防方法を家庭内でも実施することが重要です。

  • 家でも家族全員マスクを着用する
  • こまめに手洗いする
  • 適度な温度、湿度に管理する

上記に追加して、

  • 生活スペースをわける

飛沫感染接触感染を避けるには極力接点をもたないようにすることが大切です。

  • アルコール消毒をする

手で触れる機会の多い場所(ドアノブ、スイッチ、トイレ、洗面台など)はこまめに消毒用エタノールので拭くようにしてください。タオルの共用も避けてください。

  • 出勤や出席の停止期間

学校保険安全法により「発症した後5日経過し、かつ、解熱してから2日(幼児は3日)経過するまで」出席停止と定められています。企業においては法的な基準はないため企業ごとの就業規則を確認してください。

 

こうして見ていくとインフルエンザも新型コロナウイルスとほぼ同様の感染予防対策が効果的ということがわかりますね。充実した生活を過ごすには健康が第一ですからコロナにもインフルエンザにもかからないようにしっかり予防していきましょう!